終わりにしましょう
20年の人生の中で、外で本気で泣いたことが2回だけある。1回目は去年の春、いま通ってる大学の合格をネットで見たとき。吉祥寺駅1番線ホーム。この世の全てに感謝したことをよく覚えている。
2回目は昨日。世界で一番の同期が、元同期になったとき。この世の全てみたいなお別れを2人でした。吉祥寺駅2番線ホーム。涙で、目の前が見えなかった。よく晴れた日だったから、涙に反射したホームが光って眩しかった。わたしの一年とちょっと、そういえば光でいっぱいだったな、このひとのおかげで、と思った。
全て終わって、一年とちょっと、何が一番心に残っていますかと自分に問いかけてみるけど、なんでしょうね、という気持ちにしかならない。全部楽しくまた幸せだったから。
ロビーから終演後ふざけあうホール内のみんなを見てるのが好きだったし、1ギャラから見上げる2ギャラの民が頼もしかった。階段室から聞こえる笑い声を聞くだけでわたしも楽しくなれたし、仕事がどれだけあっても、また頑張ろうと思えた。みんなのためなら始発で来るのもロビーに1人でも苦じゃなかった。
願わくば、これからのマーキュリーがつくる歴史の中にわたしもいたかったし、もっと一緒にいろんな景色が見たかった。叶わないんだけど。18のみんなと足並みをそろえて引退できたらどれだけ幸せかと思った。わたしのこれからにみんながいないことが信じられなくてよく前が見えない。わたしはわたしのフィールドで頑張る一年にしなくてはならない。
おわり。
みんなに美音ちゃん、と名前を呼ばれるたび、自分の名前がまるで特別な意味を持つかのように思えて、誇らしく嬉しかった。もうそれもないんだな。