涙の海を泳ぐ

記録、日記。自分のため

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祖母の容体が急変したと母から連絡をもらった時、涙がフワーッと浮いてきて意識する間も無くポロポロおちた。

おばあちゃん。わたしにとって一番身近なおばあちゃんは日本のおばあちゃん。うちは一緒に住んでるから、当然だけど、小さい頃からの記憶の中にはおばあちゃんがいつでもいる。

もう今ではないけど、小さい頃はよく焼きそば作ってもらってた。わたしがある程度大きくなってからは、妹の分と一緒にわたしが焼きそばを作るようになった。

わたしもおばあちゃんも変なところで負けん気が強いから、それはそれはよく喧嘩した。

 

わたしが大きくなるにつれて、全然話さなくなった。家の中で会っても特に何も会話しないくらい。でも成人した時、わたしの晴れ着姿をみて、何度も何度も綺麗だと言ってくれた。何度も。

 

 

おばあちゃんにまだ何もできてない。

 

明後日の便で日本に帰る。

 

 

雑記、1129

 

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唐突に目が覚めた日だった。お金を盗まれる結構リアルな夢をみてなんかふと起きた。知り合いに盗んだでしょ!て詰めよって、机の中のものをバサバサーとだすという内容だったが、これでもし知り合いが犯人じゃなかったらどうしようとちょっと焦っていた気持ちがリアルだった。お金は無事に知り合いの机の中から出てきた。中国元だったのがまたおもろい。

 

朝ごはん→運動→化粧→部屋掃除のムーブが終わるまでだいたい2時間かかるが、最近気持ちが緩んできていて、下手すると4時間くらいただ椅子に座ってのんびりするなめくじになってしまう。が、この前ツイッターで「めんどい時5秒数えてから動くように人間に諭す天使」のまんがをみたので、5秒数えて動いてみた。おおーなるほど結構有効。でもちょっと気持ちが前のめりになりすぎる。

 

スタバに移動。机に餃子が取り残されているのをみてまたおおーとなった。中国は持ち込み可なので色々なものが持ち込まれるが、スタバと餃子の組み合わせは初めてだ。ミスマッチすぎて異彩を放っていた。

kindle谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を500円くらいで買う。ワンクリック。隣のお兄さんが着席即コーヒーを倒している。

 

やんややんやと買い物と来年度の進級関連の手続きをすます。エレベーターの中で鏡にうつった自分の顔が、鼻が赤くて目がうるうるしており、惨めさMAXという感じであった。

 

夜、荷物を取りに行く時ふわふわの雨が降っていたが、荷物を受け取ったあとそれははっきりと雪になっていた。初雪だー。ここで初雪のタイミングに出会えたのはじめてだ。雪かもね、みたいな東京の雪とは違って、はっきりと光るまぎれもない北京の雪だった。比喩とかじゃなく、キラキラしていて鋭かった。わたしは雪が好きな3歳児なのでテンションがあがった。

5lの水と、キューピーの桃ジャムと、受け取った2つの荷物を抱えたもこもこのわたしが帰宅。帰宅してからマフラーにタグつきっぱなしだったのに気づいてあちゃーとなる。

 

 

明日は大学への定期レポートを書いて、来年開催のイベントの志願書を書く。

応募系はあまり期待せずに、蒔いた種から芽が出るといいなー、くらいの心持ちで応募すると精神衛生上よい。

 

 

 

雑記、1128

 

思ってること全部書こーと思ってまた書いてる。日記、ブログじゃなくて日記書きたいなー、と思いつつ、絶対続かない。毎日淡々と過ごすのが割と好きだし、そうすると必然的に簡素なものになるし。内容が。 

 

1週間に3日くらいは「とりま辛い」みたいな日がある。この前もばかでかい横断歩道渡りながらめそめそ泣いていた。おとといも辛かったから、とりあえず化粧をして外に出てスタバでA4用紙2枚分にびっしり今の現状を書いた。

何が辛くて、何に悩んでて、自分の何がダメで、それを大丈夫にするためにはどうすればいいのか。書いてからスーパーに行ってささみとなつめとアラビアータソース買って、自分で作った料理を食べたら、気落ちが少し楽になった。

文字に起こして可視化するのは本当に大事、、

 

マチネの終わりに (文春文庫)

マチネの終わりに (文春文庫)

 

よんだ。前書きに、この物語は本当の話です!的なことが書いてあったが、それも含めて物語だったらすげー、と思った。みんなが線を引きそうな箇所に何個も黄マーカーを引いた。映画化されてて福山雅治主演なのを後から知って、あ〜なるほどね、と思った。

最後のページに、作者から月1でメールが届きますという制度があるらしいのを見て、登録してみた。内容が純粋にきになる。

 

明晰さとは、太陽に最も近い傷だ。 

 

この一文今でも引っかかる。

 

kindleで本を買うのが楽しくて、この前のフラックフライデーセールで4冊買い足して、毎日日替わりのセールをチェックしてる。ちなみに、ブラックフライデーが何なのかは1mmもわかってない。早く帰れるん?

 

本格的に冬が来たので、ロングコートを買って、もこもこの靴下も買って、暖かく過ごしている。コートに化粧がつかないようにめちゃめちゃ顎を引いて歩いている。

北京に来てから、急に寒がりになった。日本の友人と家族も、暖かく過ごしてるといいな。

 

 

 

でも泣かない

 

 

2~3年前かな。しらない。いつのことだか忘れたけど、初めて中国に旅行に行った友達に「中国どうだった?」と聞いたら、「美音みたいなのがいっぱいいた」と答えられたのが忘れられない。

笑ってたし、深い意味はわからない。わたしには汲み取れませんでした。友達4人くらいでいた気がする。みんな笑ってたような気がする。店内がキャンドルでいっぱいだった。そのせいでなんだかオレンジ一歩手前みたいな色合いの店内。イスじゃなくてソファー。パスタが運ばれてくるのが遅い店だった。カラトリーが足りなくて、友達が笑いながら店員をよんでた。

その時、ん?と思ったけど、わたしは弱いので流してしまった。

宿舎でエレベーター待ちながら、この間その日のこと思い出した。10Fのボタンを押して、灯る光みて、傷ついてるから忘れられないのかなと思った。あの日みたいな一歩手前のオレンジ。

 

あの日のこと思い出すの、わたしだけなんだろうけどさ。 

  

忘れたいな。

 

 

 

※追記

中国人の方々と日本人のわたしを一緒にされたことにモヤモヤしてるわけではない、断じて!わたしは自分に中国の血が流れてることを誇りに思うし。

彼女の口調に、中国とわたしを一緒くたにしてばかにしたような響きを感じたから、すごく嫌だった。

 

イーヨーばりの速度で落ち込む

 

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中国人の特徴の中に、「息をするように親切をする」がある。今日すたばで席なくてうろうろしてたらおばさんが、勉強したいでしょ?ここ開けるから使いな!てすごい勢いで、もの全部ざーとどかしてくれた。日本ではないタイプの善意、うれしいじゃん。だからそのあと大きな席に移る時もありがとうございます〜って言ったの、そしたらおばさんに、めちゃきょとんとしては?みたいな顔された。

おい〜忘れてしまったんかいなさっきあんなにほんわかした会話したやんけ一緒に!!

 

後から考えてみたら、無意識の善意だったんだな。わたしの中では善意の枠組みに入るものが、おばさんの中では入らず、ただ本日の一コマだったというだけなのだろう。割とよくある。

やっぱりすごいな国民性が、と思って少し落ち込んだ。無意識な善意、人が目指す最終目的地だし。

 

 

最近イーヨーの特徴が「すぐに落ち込む」だということを知ってびっくりした。あのほんわかマイルドストーリーの中で一人だけそんな過酷な設定をかせられているイーヨーかわいそうすぎる。しかも理由が二つあって、ひとつが「すぐしっぽが取れちゃう」ひとつが「すぐおうちが壊れちゃう」。ありえんかわいそうだなと思ってめちゃ爆笑したんだけどそのとき。

 

でも思えばわたしも先日冷蔵庫がいつの間にか冷凍庫になって落ち込んだりとかしてるし、バス降りるときにルームキータッチして下車失敗したりとかして落ち込んでるし、今日も知らんおばさんに落ち込んでるし、全然イーヨーのことばかにできないと思った。多分明日も、特段「ありえんかわいそう」でもないことで一人で落ち込んでるんだろうな。

 

割と毎日イーヨーばりの速度で落ち込んでる。気づいてなかった。

 

 

 

おわり。それだけ

愛へ

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思えば春が来て、夏、秋、冬、冬を越えて春、夏と季節を6回共にしただけの仲なんだけど。

 

 

公演準備中の仲間たちがビデオ通話をしてくれたあと、そのまま午前5時に航空券とホテルを取った。北京に来てから眠るという行為がわたしにとって少しづつ難しくなっていることもあって、空が明るくなりだしたのを目の裏で感じながら、名前もわからない鳥の鳴き声を耳にしながら、ブリキの馬が垣根を67回越えたところで、やっと眠りに落ちた。

後悔したくなかった。

 

知らなかったことが沢山あることを知らなかった。 何百回も通った駒小までの道のりを、初めての顔をしたわたしと友達が、記憶と思い出をなぞるように進んだ。こたてと立て看板とひさしがこんなに華々しく「お客様」の心を鷲掴みにすることを知らなかった。同期と後輩が心の全てをかけて作り出した空間まで誘われて、ホール内に足を踏み入れる、その一連の流れがこんなにも尊く、何にも代え難いものであることを知らなかった。

 

劇を見る前、見た後、取るに足らない些細なこと、色々思い出した。

小屋入り中、人見知りだし、口下手だから、あんまり自分から話しかけたりしないけど、優しい18がなんでも聞いてくれるから、それに甘えて、聞いて聞いてとなんでも話しかけてたこと。「うんなに?」と返してくれる声のトーン。大好きで、返答とかもうよくて、これを聞くためだけに色々話しかけてたこと。

18:30、13:30。さきちゃんが開場するあの瞬間、薄暗いホール内から光が見えて、お客様の姿が見えて、お待たせいたしました、あの瞬間の胸の高鳴り。

ロビーを通る眠そうな同期の顔を見て頑張ろうと思っていたこと。

帰っていく同期を見送るとき毎日寂しかったこと。

ばいばいした3秒後、もう会いたかったこと。

 

 

どんな些細なことも全て大切だった。

 

 

さきちゃんと、離れていた時間を埋めるように沢山沢山話した。長い針が4周する間、あれもあれもと思い出を拾い集めるみたいに話した。さきちゃんが泣きながら「わたしのオアシスみたいな人」と言うから、わたしも泣きながら、「駒小から出なきゃ」と一緒に笑いあった。

さきちゃんとわたしは、ロビー番を交代するとき、新公から毎回必ず、ロビーに相手に向けた手紙を残していた。ぽつりと、もう今はやってないけど、と前置きしてから、それを美音だと思って、今回全部持って小屋入りしたの。と教えてくれた。わたしも全部持って北京に発ったこと、辛いとき苦しいとき読み返してること、言えなかった。声がでなかった。

 

 

引退してから全部忘れてしまったと照れ隠しで言ったけど、どんな些細な思い出も、全部覚えてる。さきちゃんと一緒だったから。

 

 

 

この一週間、みんなのことばかり考えていた。体調が悪いと聞けば、いまも辛いのか、苦しいのか、この瞬間もしんどいのか、それだけで頭がいっぱいになってしまって他のことが手につかなかった。ちゃんとご飯食べたと聞いただけで安心したし、送られてくる楽しいエピソードひとつひとつ、心の底で暖かく光る。ずっと。

18のみんな、わたしは現役の頃から最後まで、何の役にも立てない人だったけど、みんなからあまりにも沢山のものをもらいすぎていたように思うよ。みんなのために、わたしができること、一つ残らず全部、もっともっとしてあげたかった。

 

季節が6回過ぎる間、愛が育っていたんだな。

 

 

 

 冬公、悔いなく楽しくやり切れたかな。

現役引退、本当におめでとう。

 

 

 

深海

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電子辞書の電池がなくなりかけてたのだった。買おうと買おうと思ってて、昨日重い腰を上げて出かけたのに、チーズと棗を買って、結局電池だけ買うの忘れた。こういうところがある。今日買ってスタバでいそいそと交換した。画面が心なしか明るく見える。

 

電池の捨て方って区によって違くて、ちょっと面倒くさいけど、目黒区は電池の両端に養生テープをぺって貼ればそのまま捨てられるのであった。自分の住んでる区じゃないのに、いつまでも忘れられなくて、多分それはこれから先もそうなのだろう。日常に入り込んでいたということなんだな。それはすごいことだ。

 

帰宅して、何も貼らずにそのまま捨てた。貼ってないなと思いつつ、ちょっと遠くにあるゴミ箱に向かって身を伸ばしてえいと投げた。